ハロウィン連載、第3話の4回目です。
うちの吸血鬼はこんな設定です(書きながらの思いつきばっかり…)
そもそも真田には、嶋本が吸血鬼として使える数少ない「身を隠す」能力が効かない。条件は限られるが、嶋本がその場所に「頼む」と、近くを通った相手が嶋本を意識しなくなる。
意図的にエネルギーをとれない嶋本はエネルギー不足に陥りやすく、時々節約のため心臓まで止めて休眠していた。その際、見つかって騒ぎにならないよう、「身を隠す」のは当たり前で。
なのに、真田は嶋本に気づく。この前も…今も。
家族やよほど親しい相手には、効き目がないとは聞いていた。真田と自分はそんなに親しいだろうか?
(そうじゃなきゃ「伴侶」候補か…)
吸血鬼はエネルギーの相性がいい特定の相手をパートナー「伴侶」に決める場合がある。
吸血鬼にとって、パートナーがいる利点は多い。エネルギーの補給が安定すれば、吸血鬼の心身も安定し、力も増す。
より正確に言うなら、通常なら吸血鬼は他者からエネルギーを吸収するだけだが、「伴侶」とはエネルギーが交流するのだという。つまりパートナーの側も一方的にエネルギーを奪われる訳ではない…らしい。情報が曖昧なのは、嶋本自身は経験したことがないからだが。
「勘弁してくれ…」
「何を?」
こんなのとパートナーの可能性があるなんて(「伴侶」なんて言葉の響きだけで打ちのめされそうで極力言いたくない)。
そもそも力のコントロールのできない嶋本は、人間からエネルギーをもらおうとは思っていなかった。
嶋本がこれまで人間からエネルギーを吸収した回数は2回―――初めて吸血鬼としてエネルギーを吸った相手と、この間の真田と。どちらも相手が死ななかったのは、単なる偶然に過ぎない。
いい加減本気で突き放さなければと、嶋本は気を取り直し、真田を睨みすえた。
「…あんたの正義感と罪悪感でつきまとわれるのは、いい加減メーワク」
ひどい言い方だが、真田に婉曲な物言いは通じないと経験からわかっている。
「退学するっつー相手を見過ごせないあんたの正義感はありがた迷惑。あんたのせいで退学を決めた訳じゃないから、あんたが罪悪感を感じる必要はない―――わかったら、いい加減、ほっといてくれ」
「断る」
即答されて、瞬間頭に血が上った。思わず真田の胸元を掴んで揺さぶる。
「こないだ死にかけて、まだ懲りねえのかよ!」
「嶋本」
胸元を掴む嶋本の手に真田が手を重ねる。
「正義感も罪悪感もお前のことだろう。人を巻き込めないというお前の正義感と、にもかかわらずオレを巻き込んだという罪悪感と」
この他人の心の機微に疎い男から、己の心の奥底を指摘されるなどとは思いもよらず、嶋本の動きが止まる。
「―――もう一つ、人を死なせるかもしれないという恐怖感だ」
思いつき設定が案外楽しくて、後日談が延びて行くんだよな…
うちの吸血鬼はこんな設定です(書きながらの思いつきばっかり…)
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
そもそも真田には、嶋本が吸血鬼として使える数少ない「身を隠す」能力が効かない。条件は限られるが、嶋本がその場所に「頼む」と、近くを通った相手が嶋本を意識しなくなる。
意図的にエネルギーをとれない嶋本はエネルギー不足に陥りやすく、時々節約のため心臓まで止めて休眠していた。その際、見つかって騒ぎにならないよう、「身を隠す」のは当たり前で。
なのに、真田は嶋本に気づく。この前も…今も。
家族やよほど親しい相手には、効き目がないとは聞いていた。真田と自分はそんなに親しいだろうか?
(そうじゃなきゃ「伴侶」候補か…)
吸血鬼はエネルギーの相性がいい特定の相手をパートナー「伴侶」に決める場合がある。
吸血鬼にとって、パートナーがいる利点は多い。エネルギーの補給が安定すれば、吸血鬼の心身も安定し、力も増す。
より正確に言うなら、通常なら吸血鬼は他者からエネルギーを吸収するだけだが、「伴侶」とはエネルギーが交流するのだという。つまりパートナーの側も一方的にエネルギーを奪われる訳ではない…らしい。情報が曖昧なのは、嶋本自身は経験したことがないからだが。
「勘弁してくれ…」
「何を?」
こんなのとパートナーの可能性があるなんて(「伴侶」なんて言葉の響きだけで打ちのめされそうで極力言いたくない)。
そもそも力のコントロールのできない嶋本は、人間からエネルギーをもらおうとは思っていなかった。
嶋本がこれまで人間からエネルギーを吸収した回数は2回―――初めて吸血鬼としてエネルギーを吸った相手と、この間の真田と。どちらも相手が死ななかったのは、単なる偶然に過ぎない。
いい加減本気で突き放さなければと、嶋本は気を取り直し、真田を睨みすえた。
「…あんたの正義感と罪悪感でつきまとわれるのは、いい加減メーワク」
ひどい言い方だが、真田に婉曲な物言いは通じないと経験からわかっている。
「退学するっつー相手を見過ごせないあんたの正義感はありがた迷惑。あんたのせいで退学を決めた訳じゃないから、あんたが罪悪感を感じる必要はない―――わかったら、いい加減、ほっといてくれ」
「断る」
即答されて、瞬間頭に血が上った。思わず真田の胸元を掴んで揺さぶる。
「こないだ死にかけて、まだ懲りねえのかよ!」
「嶋本」
胸元を掴む嶋本の手に真田が手を重ねる。
「正義感も罪悪感もお前のことだろう。人を巻き込めないというお前の正義感と、にもかかわらずオレを巻き込んだという罪悪感と」
この他人の心の機微に疎い男から、己の心の奥底を指摘されるなどとは思いもよらず、嶋本の動きが止まる。
「―――もう一つ、人を死なせるかもしれないという恐怖感だ」
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思いつき設定が案外楽しくて、後日談が延びて行くんだよな…
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後日談が…妄想が…のびていく~ ま、書けるところまで書いてみよう(苦笑)
ではハロウィン連載、第3話の3回目です。
嶋本が真田に勝負を挑み続けていたのは有名だ。どうせやめるにしても、真田に勝てないから辞めたと噂されるのは腹がたつ。
少しほとぼりが覚めてから、とせっかくおとなしくしているのに、真田の方からしきりに嶋本に構ってくる。
これまでとは逆に、真田が嶋本を追う構図に周囲はおもしろがり、おかげで穏便に学生生活からフェイドアウトするという嶋本の予定は狂いっぱなしだ。
「何か用ですか、真田先輩」
日ごろの口調よりことさら丁寧に言ったのは、嫌味だ。
だが真田にそんなものが通じるはずもなく。
「この頃はかくれんぼ勝負が多いな」
「んなわけあるか!」
「制限時間をきめるか。ただ見つければいいだけなら、嶋本が不利だろう」
「だから勝負じゃねぇって」
「嶋本が意地っ張りなのは知っている」
「だから…」
「お前がオレを探すのでもいいぞ」
「…あんた、もてる割りに女と続かない訳がわかるな」
「何故だ?」
「人の話は聞かねえし、人の気持ちもかまわねえし」
「嶋本の話は聞いているし、気持ちも考えているぞ?」
「…外してても気づいてねぇし」
「そうなのか?」
「そうだよ」
…しまった。また真田のペースにはまってしまう。
…続きはまた明日。
ではハロウィン連載、第3話の3回目です。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
嶋本が真田に勝負を挑み続けていたのは有名だ。どうせやめるにしても、真田に勝てないから辞めたと噂されるのは腹がたつ。
少しほとぼりが覚めてから、とせっかくおとなしくしているのに、真田の方からしきりに嶋本に構ってくる。
これまでとは逆に、真田が嶋本を追う構図に周囲はおもしろがり、おかげで穏便に学生生活からフェイドアウトするという嶋本の予定は狂いっぱなしだ。
「何か用ですか、真田先輩」
日ごろの口調よりことさら丁寧に言ったのは、嫌味だ。
だが真田にそんなものが通じるはずもなく。
「この頃はかくれんぼ勝負が多いな」
「んなわけあるか!」
「制限時間をきめるか。ただ見つければいいだけなら、嶋本が不利だろう」
「だから勝負じゃねぇって」
「嶋本が意地っ張りなのは知っている」
「だから…」
「お前がオレを探すのでもいいぞ」
「…あんた、もてる割りに女と続かない訳がわかるな」
「何故だ?」
「人の話は聞かねえし、人の気持ちもかまわねえし」
「嶋本の話は聞いているし、気持ちも考えているぞ?」
「…外してても気づいてねぇし」
「そうなのか?」
「そうだよ」
…しまった。また真田のペースにはまってしまう。
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…続きはまた明日。
あ、ちょっといいかも…と一瞬思ったタイトルは、書き取る前にやはり一瞬で忘れました…
ハロウィン連載、第3話の2回目です。
退学すると決めたものの、さすがの嶋本も今日明日に退学届をだそうとは思っていない。
優等生ではないから熱心に引き止められるとは思わないが、退学するなら何かしら尤もらしい理由が必要だし、これまで支払われた給与の扱いも気になる。
下手に記憶に残るような消え方は、できれば避けたかった。退学後のあてはないが、目立たないにこしたことはない。身の振り方に困ったら、人目につかないところで仮死状態になる手もある。
(富士山麓とかいいかもなー)
いささか思考が自虐的なのは自覚しているが、嶋本一人がいようといまいと、世の中のほとんどの人間は気にも止めないし、海も空も変わりはしないのだ。
吸血鬼の力に目覚めてから、誰にも言えない秘密を抱えてこの先どう生きていけばいいのか、ずっと悩んでいた。ようやく決心して、穏やかにここから遠ざかろうとしているのに…
近づいてくる足音にため息が出る。
「ここにいたのか、嶋本」
心をかき乱す存在の登場に、嶋本は渋面を隠さなかった。
ハロウィン連載、第3話の2回目です。
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退学すると決めたものの、さすがの嶋本も今日明日に退学届をだそうとは思っていない。
優等生ではないから熱心に引き止められるとは思わないが、退学するなら何かしら尤もらしい理由が必要だし、これまで支払われた給与の扱いも気になる。
下手に記憶に残るような消え方は、できれば避けたかった。退学後のあてはないが、目立たないにこしたことはない。身の振り方に困ったら、人目につかないところで仮死状態になる手もある。
(富士山麓とかいいかもなー)
いささか思考が自虐的なのは自覚しているが、嶋本一人がいようといまいと、世の中のほとんどの人間は気にも止めないし、海も空も変わりはしないのだ。
吸血鬼の力に目覚めてから、誰にも言えない秘密を抱えてこの先どう生きていけばいいのか、ずっと悩んでいた。ようやく決心して、穏やかにここから遠ざかろうとしているのに…
近づいてくる足音にため息が出る。
「ここにいたのか、嶋本」
心をかき乱す存在の登場に、嶋本は渋面を隠さなかった。
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…続きはまた明日。
ハロウィン連載、第3話の1回目です。
ここまで書いても、題名思いつかないんだな…とほほ(泣)
五十嵐がきっかけで最初に真田にこだわったのは嶋本で、結局当の五十嵐は真田ではなく伊藤と付き合いだしたのだから、嶋本の興味は本来伊藤に移行するはずだ。
それがまるで勝てない勝負を放り出すように思えて、真田に固執してしまった。
真田を好きとは言わないが、口や態度ほどには嫌っていない自分を知っている。
真田にとっての嶋本は、しつこくつきまとう野良犬(蝿では自分が悲し過ぎる)くらいの認識しかなかっただろうに。
真田は、真っ直ぐ正しい道を行く生き物だ。嶋本はたまたまその進路を横切ったため、視界に入ったに過ぎない。
しかも真田の視界でうっかり醜態をさらしたりしたから―――強く正しい先輩は、嶋本を野犬から迷える子羊に、認識し直したらしい。
箱入り娘が初めて出会った外界の象徴たる不良青年を無視できないように、真田の正義感が嶋本を見過ごしにさせない。
競う相手としてではなく、そんな理由で気にかけられるなんてまっぴらだった。
だが、直接・間接・各種表現取り混ぜて、何回真田に説明しても、頭はいいくせに真田は嶋本の言い分をさっぱり理解しない。
おかげでここしばらく、真田と出口の見えない押し問答を繰り返している。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
…続きはまた明日。
ここまで書いても、題名思いつかないんだな…とほほ(泣)
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五十嵐がきっかけで最初に真田にこだわったのは嶋本で、結局当の五十嵐は真田ではなく伊藤と付き合いだしたのだから、嶋本の興味は本来伊藤に移行するはずだ。
それがまるで勝てない勝負を放り出すように思えて、真田に固執してしまった。
真田を好きとは言わないが、口や態度ほどには嫌っていない自分を知っている。
真田にとっての嶋本は、しつこくつきまとう野良犬(蝿では自分が悲し過ぎる)くらいの認識しかなかっただろうに。
真田は、真っ直ぐ正しい道を行く生き物だ。嶋本はたまたまその進路を横切ったため、視界に入ったに過ぎない。
しかも真田の視界でうっかり醜態をさらしたりしたから―――強く正しい先輩は、嶋本を野犬から迷える子羊に、認識し直したらしい。
箱入り娘が初めて出会った外界の象徴たる不良青年を無視できないように、真田の正義感が嶋本を見過ごしにさせない。
競う相手としてではなく、そんな理由で気にかけられるなんてまっぴらだった。
だが、直接・間接・各種表現取り混ぜて、何回真田に説明しても、頭はいいくせに真田は嶋本の言い分をさっぱり理解しない。
おかげでここしばらく、真田と出口の見えない押し問答を繰り返している。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
…続きはまた明日。
ハロウィン連載、第2話の4回目です。本編は3話完結、かな…?
「シマならあっちに行ったぞ」
「ありがとう」
せめてもの詫びに、と嶋本の行方を示すと、礼を言った真田がそちらに向かいかけ。
「有」
「何だよ」
「五十嵐さんが待っていたぞ」
「! 早く言えよ、そういうことは!」
「すまん。頑張れ」
「おう! 甚もな!」
軽く手を振ると、五十嵐との待ち合わせ場所に向かって走りだした伊藤は、嶋本の後を急ぎ足で追って行った親友のことを思った。
あんな―――鋼鉄製の箱入り娘に追われたら、どんな不良青年でもひとたまりもないに違いない。
人間一人じゃ生きていけないのに、嶋本は孤独になりたがっている。
かつて知らずに孤独だった真田は伊藤や五十嵐と知り合って変わり、今また嶋本に出会って変わろうとしている。
「人は支えあうから人って字なんだぜー」
あ、五十嵐さんにも言ってやろ!と意気込んだ伊藤が、五十嵐からあっさりそれは俗説よ、と言われてしまうのはまた別の話。
芹 「あとは若い二人にまかせますから(にっこり)」
…ということで(笑)
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
「シマならあっちに行ったぞ」
「ありがとう」
せめてもの詫びに、と嶋本の行方を示すと、礼を言った真田がそちらに向かいかけ。
「有」
「何だよ」
「五十嵐さんが待っていたぞ」
「! 早く言えよ、そういうことは!」
「すまん。頑張れ」
「おう! 甚もな!」
軽く手を振ると、五十嵐との待ち合わせ場所に向かって走りだした伊藤は、嶋本の後を急ぎ足で追って行った親友のことを思った。
あんな―――鋼鉄製の箱入り娘に追われたら、どんな不良青年でもひとたまりもないに違いない。
人間一人じゃ生きていけないのに、嶋本は孤独になりたがっている。
かつて知らずに孤独だった真田は伊藤や五十嵐と知り合って変わり、今また嶋本に出会って変わろうとしている。
「人は支えあうから人って字なんだぜー」
あ、五十嵐さんにも言ってやろ!と意気込んだ伊藤が、五十嵐からあっさりそれは俗説よ、と言われてしまうのはまた別の話。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
伊藤「え、オレと五十嵐さんのシーンってこれだけ?」芹 「あとは若い二人にまかせますから(にっこり)」
…ということで(笑)
灯/台/の/日も三連休も関係ない日々…がっくり。
では、ハロウィン連載、第2話の3回目です。
五十嵐に会う前に、真田と行き合ったのは、ある意味予想通りだ。
「今日もシマと追いかけっこか、甚」
「ああ」
「珍しく苦戦してるんじゃないか?」
「なかなか手強いんだ」
そういう真田の顔は、手応えが嬉しいというだけの単純なものではなく。
「もしかして、初黒星の予感?」
「いや」
短く言いきった真田に、さっきの嶋本のセリフを思い出す。
「そうそう、シマがお前のことを不良青年にたぶらかされた箱入り娘って言ってたぞ」
「? どういう例えだ、それは」
「さあ? 何だか知らないけど、随分な嫌がりようだぞ。どうする、このまま逃げ切られたら?」
「――それはさせない、絶対に」
真剣な声が返り、伊藤は悪意がなくとも、からかい気分が多少なりとあったことを反省した。
…続きはまた明日。
では、ハロウィン連載、第2話の3回目です。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
五十嵐に会う前に、真田と行き合ったのは、ある意味予想通りだ。
「今日もシマと追いかけっこか、甚」
「ああ」
「珍しく苦戦してるんじゃないか?」
「なかなか手強いんだ」
そういう真田の顔は、手応えが嬉しいというだけの単純なものではなく。
「もしかして、初黒星の予感?」
「いや」
短く言いきった真田に、さっきの嶋本のセリフを思い出す。
「そうそう、シマがお前のことを不良青年にたぶらかされた箱入り娘って言ってたぞ」
「? どういう例えだ、それは」
「さあ? 何だか知らないけど、随分な嫌がりようだぞ。どうする、このまま逃げ切られたら?」
「――それはさせない、絶対に」
真剣な声が返り、伊藤は悪意がなくとも、からかい気分が多少なりとあったことを反省した。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
…続きはまた明日。
お返事無用、と仰ってメッセージを下さる方へ…ありがとうございます。お時間のある時にまたごゆっくりどうぞ!(礼)
では、ハロウィン連載、第2話の2回目です。
「…何か用っすか」
「甚に追っかけられる気分はどうだよ」
嶋本は眉根を寄せて、少し考えてから何とも言い難い表情で答えた。
「箱入り娘をたぶらかした不良青年…」
「…!!」
息が苦しいほど笑い転げても仕方がない。
涙目のまま、理由を尋ねる。
「そんな例えが出る理由はなんだよ」
「…真田先輩から聞いてないんすか?」
「聞いたけど、シマのプライベートだからって、教えてくれなかったんだよなー」
嶋本は一瞬何か言い淀み、それから伊藤にキツい目を向けた。
「…正義感の押し売りはメーワクって、言っといてもらえます?」
「自分で言えば?」
「オレが言っても聞いてねぇから」
「そうだよなぁ、甚なら」
「わかってんなら放置しないで、何とか言っといて下さい。大事な親友が変なのに引っかかっても知りませんよ」
それだけを言い捨てると、嶋本は伊藤を置いてさっさと行ってしまった。
「うーん、疾風怒濤真っ最中な感じ?」
ま、それだけじゃなさそうだけど。
一人ごちてから、五十嵐との待ち合わせ場所に向けて歩き出す。
では、ハロウィン連載、第2話の2回目です。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
「…何か用っすか」
「甚に追っかけられる気分はどうだよ」
嶋本は眉根を寄せて、少し考えてから何とも言い難い表情で答えた。
「箱入り娘をたぶらかした不良青年…」
「…!!」
息が苦しいほど笑い転げても仕方がない。
涙目のまま、理由を尋ねる。
「そんな例えが出る理由はなんだよ」
「…真田先輩から聞いてないんすか?」
「聞いたけど、シマのプライベートだからって、教えてくれなかったんだよなー」
嶋本は一瞬何か言い淀み、それから伊藤にキツい目を向けた。
「…正義感の押し売りはメーワクって、言っといてもらえます?」
「自分で言えば?」
「オレが言っても聞いてねぇから」
「そうだよなぁ、甚なら」
「わかってんなら放置しないで、何とか言っといて下さい。大事な親友が変なのに引っかかっても知りませんよ」
それだけを言い捨てると、嶋本は伊藤を置いてさっさと行ってしまった。
「うーん、疾風怒濤真っ最中な感じ?」
ま、それだけじゃなさそうだけど。
一人ごちてから、五十嵐との待ち合わせ場所に向けて歩き出す。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
…続きはまた明日。
ハロウィン連載、第2話の1回目です。
今回は伊藤視点。これまで幽霊だったり守護霊だったりした伊藤が、いよいよ主役…!
伊藤「やったね~!いよいよオレが主役だぜ~」
芹 「そんな大した話じゃ…」
伊藤「え!そうなの!」
芹 「3話への繋ぎの話だし」
伊藤「え~…まあ、しょうがないか。で、五十嵐さんは出るのか? オレと一緒のシーンは?(わくわく)」
芹 「あー…ま、希望を持つのは自由なので」
伊藤「えー!どういうことだよ!」
芹 「続きは本編でどうぞ~」(さっさと幕引き)
伊藤「え~、ちょっと待てよ~(そのままフェードアウト)」
何かと噂のタネになる、小さな後輩を見かけたのは、五十嵐との「デート」に向かう途中だ。
伊藤の親友に勝負を挑み続けていた彼をぷっつり見なくなったと思ったら、今度は親友が彼を追い回していた。
(飽きさせない奴だよな~)
他人に対して氷壁とも絶壁とも評された真田をここまで引き回すなんて。
つくづく二人ともおもしろい、なんて当の本人達に聞かれると、一人は心底不思議そうに首を傾げ、一人は歯を剥いて怒りそうだ。
「シマ!」
早足の後ろ姿を逃すまいとややある距離を呼びかけると、嶋本が振り返った。どこか警戒したような様子に、込み上げる笑いを押し込める。
「甚ならいないぜ」
そう言ってやっても、周囲を伺う気配を消さない嶋本に、手負いの獣という言葉が浮かぶ。
彼の過去についてはいくつかの無責任な噂が飛び交っているが、何が事実にせよ彼がかつて傷ついて、今も傷ついたままなのは確かだ。
痛々しいが、真田が嶋本係を積極的にかってでている訳だし、今は見守る時期かと思う…が、多少の好奇心は許容範囲だろう。
念のため、ワタクシ有さんのこと、好きっすよ…!(笑)
今回は伊藤視点。これまで幽霊だったり守護霊だったりした伊藤が、いよいよ主役…!
伊藤「やったね~!いよいよオレが主役だぜ~」
芹 「そんな大した話じゃ…」
伊藤「え!そうなの!」
芹 「3話への繋ぎの話だし」
伊藤「え~…まあ、しょうがないか。で、五十嵐さんは出るのか? オレと一緒のシーンは?(わくわく)」
芹 「あー…ま、希望を持つのは自由なので」
伊藤「えー!どういうことだよ!」
芹 「続きは本編でどうぞ~」(さっさと幕引き)
伊藤「え~、ちょっと待てよ~(そのままフェードアウト)」
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何かと噂のタネになる、小さな後輩を見かけたのは、五十嵐との「デート」に向かう途中だ。
伊藤の親友に勝負を挑み続けていた彼をぷっつり見なくなったと思ったら、今度は親友が彼を追い回していた。
(飽きさせない奴だよな~)
他人に対して氷壁とも絶壁とも評された真田をここまで引き回すなんて。
つくづく二人ともおもしろい、なんて当の本人達に聞かれると、一人は心底不思議そうに首を傾げ、一人は歯を剥いて怒りそうだ。
「シマ!」
早足の後ろ姿を逃すまいとややある距離を呼びかけると、嶋本が振り返った。どこか警戒したような様子に、込み上げる笑いを押し込める。
「甚ならいないぜ」
そう言ってやっても、周囲を伺う気配を消さない嶋本に、手負いの獣という言葉が浮かぶ。
彼の過去についてはいくつかの無責任な噂が飛び交っているが、何が事実にせよ彼がかつて傷ついて、今も傷ついたままなのは確かだ。
痛々しいが、真田が嶋本係を積極的にかってでている訳だし、今は見守る時期かと思う…が、多少の好奇心は許容範囲だろう。
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念のため、ワタクシ有さんのこと、好きっすよ…!(笑)