遅ればせながらのバレンタイン話・第3回です~
「―――そうだな」
一つ息を吐いてから真田が頷き、ほっとしながらも残念さを否めないでいたら、次の瞬間まさしく神速で下着ごと着衣を剥ぎ取られて嶋本は仰天する。
「ちょっ――!」
「なんだ?」
「せやから出来へんて…!」
「ああ」
手を止めずに真田が言った。
「手加減は無理だな、お互い」
「お互い…?!」
嶋本は後の予定を考えて手加減してのセックスなんて無理だから、今はやめようという意味で言ったのに、真田は無理な手加減だけをやめるつもりらしい。
そうすると車を出してやるなんてどころではなく、下手をしたら今日一日身動きできなくなる。
「だから今日、はオレ予、定があ・るって――…っ」
「諦めろ」
横暴なとか、オレかて我慢なんかしとうないわ!という叫びは、再度口を塞がれて飲み込まされた。
いろいろ抜き差しならない状態になりつつ、往生際悪くじたばたする嶋本の耳元で真田が囁く。
「今日くらい、お前を返してもらう」
「………ア、アホか」
「うん」
ああ、もうだめだ、と内心で呻く。
アラフォーの男が、うんとか言うな…かわいいから。
認められて関空のキッキューを任されたことを誇りに思うけど、真田と同じ職場で働ける連中が羨ましくない訳ではないのだ。
(すまん、星野)
約束の時間前に、今日は都合が悪くなったと詫びの連絡を入れることを胸に誓う。
…が、しかし。
いろいろ久しぶりだったことと、ロフトベッドという動きを制限される場所が逆に新鮮で、二人してヒートアップした結果、短時間とはいえ嶋本は意識を飛ばす羽目になり。
その間に入った星野からのメールに真田が返信してしまい、非常にいたたまれない気持ちになりつつも、開き直ってソファーベッドに移動し、そのまま一日中励んでいた。
―――結局、まだまだ熟年夫婦には程遠いことを、身を持って思い知った一日だった。
…次回はおまけネタです~
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
「―――そうだな」
一つ息を吐いてから真田が頷き、ほっとしながらも残念さを否めないでいたら、次の瞬間まさしく神速で下着ごと着衣を剥ぎ取られて嶋本は仰天する。
「ちょっ――!」
「なんだ?」
「せやから出来へんて…!」
「ああ」
手を止めずに真田が言った。
「手加減は無理だな、お互い」
「お互い…?!」
嶋本は後の予定を考えて手加減してのセックスなんて無理だから、今はやめようという意味で言ったのに、真田は無理な手加減だけをやめるつもりらしい。
そうすると車を出してやるなんてどころではなく、下手をしたら今日一日身動きできなくなる。
「だから今日、はオレ予、定があ・るって――…っ」
「諦めろ」
横暴なとか、オレかて我慢なんかしとうないわ!という叫びは、再度口を塞がれて飲み込まされた。
いろいろ抜き差しならない状態になりつつ、往生際悪くじたばたする嶋本の耳元で真田が囁く。
「今日くらい、お前を返してもらう」
「………ア、アホか」
「うん」
ああ、もうだめだ、と内心で呻く。
アラフォーの男が、うんとか言うな…かわいいから。
認められて関空のキッキューを任されたことを誇りに思うけど、真田と同じ職場で働ける連中が羨ましくない訳ではないのだ。
(すまん、星野)
約束の時間前に、今日は都合が悪くなったと詫びの連絡を入れることを胸に誓う。
…が、しかし。
いろいろ久しぶりだったことと、ロフトベッドという動きを制限される場所が逆に新鮮で、二人してヒートアップした結果、短時間とはいえ嶋本は意識を飛ばす羽目になり。
その間に入った星野からのメールに真田が返信してしまい、非常にいたたまれない気持ちになりつつも、開き直ってソファーベッドに移動し、そのまま一日中励んでいた。
―――結局、まだまだ熟年夫婦には程遠いことを、身を持って思い知った一日だった。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
…次回はおまけネタです~
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遅ればせながらのバレンタイン話・第2回です~
「おはよう」
「…おはようございます」
反射的に返事を返した嶋本をわずかに目を細めて見返すと、真田は一気に二人の間の距離を詰めた。
久しぶりのキスは深く、嶋本も思わず夢中になる。
角度を変えて二度三度とキスを交わしつつ、真田の手が着衣の間に入り込んで来たところで、我に返った。
喋ろうにも呼吸ごと吸引する勢いで口を塞がれていて、少々の動きでは外してもらえない。
その間にも真田の手は、着々と任務を遂行してくる。
進退極まって、嶋本は真田の背を連打した。
真田の動きが一瞬止まり、それから口が解放される。ことさらゆっくり離れていく気がする真田の唇を、目で追ってしまうのは仕方がない。このまま事になだれ込んでしまいたいのは、嶋本だって同じなのだから。
「…今日は星野と約束しとるんです。あいつもI/K/E/Aでベッド買うて言うから、車出したるて―――…っ!」
際どいところにあった手が動きを再開し、嶋本は息を詰めた。
「ちょっ…真田さん! 聞こえんかったんですか?」
「聞こえたが」
「やったら…」
「時間は十分あるだろう。手加減は心がける…なるべく」
…久しぶりの再会で。
「そんなん出来るわけないやん!」
なるべくとか手加減なんて。
絶対無理だし、してほしくもない。
続きは次回…
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
「おはよう」
「…おはようございます」
反射的に返事を返した嶋本をわずかに目を細めて見返すと、真田は一気に二人の間の距離を詰めた。
久しぶりのキスは深く、嶋本も思わず夢中になる。
角度を変えて二度三度とキスを交わしつつ、真田の手が着衣の間に入り込んで来たところで、我に返った。
喋ろうにも呼吸ごと吸引する勢いで口を塞がれていて、少々の動きでは外してもらえない。
その間にも真田の手は、着々と任務を遂行してくる。
進退極まって、嶋本は真田の背を連打した。
真田の動きが一瞬止まり、それから口が解放される。ことさらゆっくり離れていく気がする真田の唇を、目で追ってしまうのは仕方がない。このまま事になだれ込んでしまいたいのは、嶋本だって同じなのだから。
「…今日は星野と約束しとるんです。あいつもI/K/E/Aでベッド買うて言うから、車出したるて―――…っ!」
際どいところにあった手が動きを再開し、嶋本は息を詰めた。
「ちょっ…真田さん! 聞こえんかったんですか?」
「聞こえたが」
「やったら…」
「時間は十分あるだろう。手加減は心がける…なるべく」
…久しぶりの再会で。
「そんなん出来るわけないやん!」
なるべくとか手加減なんて。
絶対無理だし、してほしくもない。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
続きは次回…
遅ればせながら、バレンタイン話を始めてみました。
ひさびさの「はんちょうさんのあたらしいべっど」ネタです。
職業柄、世間様の休日・祝日・イベントと非番は連動しない。
まして、恋人が規格外と来ては尚更(自分のことはこの際除外)。
だから2回目の海外派遣を終えて今は同じ国内にいるはずの真田が、海外滞在時と変わらぬ程度の音信不通ぶりだったり、遭遇率だったりしても、全然不思議じゃない。
たとえ明日が恋人たちの祭典バレンタインデーでも、たまたま偶然にその日嶋本が非番でも、だ。
不満がない訳ではないが、真田に関しては達観してしまった部分もあり、既に熟年夫婦じゃないのか、この感じは…なんて思ったりしていたのだ。
寝返りをうとうとして、ゆるい拘束に気づく。
二人で夜を過ごした後だけのそれは、恋人として付き合い始めてから何年過ぎても気恥ずかしい。もっともそう思う以上に、単純に真田と触れ合うことの方が嬉しいのだけど。
…ちょっと待て。
昨夜ロフトベッドに転がりこんだ時は間違いなく一人だったはずだ。
ならばこれは己の欲求不満が見せた夢か、それとも。
体内時計で起床にはまだ早いと知りつつ、重いまぶたを押し上げる。
「……」
間近に見えた片二重の寝顔にどうやら、規格外の恋人が得意技の予告なし・お宅訪問をやってくれたらしいという結論に落ち着く。
こういう時の真田は驚異的な勝率を誇り、見事に嶋本が自宅にいる瞬間を引き当てる。
(神兵の神様って、確率の神様か?)
などと思いつつ、しばしパプアニューギニアでの日焼けが未だ抜けない真田の顔を堪能した。
別に菓子業界その他の販促に迎合するつもりはないが、こういう日に会えることは嬉しい。
少しいたずらっ気を出した嶋本が褐色の頬を舐めた時、真田が目を開けた。
続きは次回…
ひさびさの「はんちょうさんのあたらしいべっど」ネタです。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
職業柄、世間様の休日・祝日・イベントと非番は連動しない。
まして、恋人が規格外と来ては尚更(自分のことはこの際除外)。
だから2回目の海外派遣を終えて今は同じ国内にいるはずの真田が、海外滞在時と変わらぬ程度の音信不通ぶりだったり、遭遇率だったりしても、全然不思議じゃない。
たとえ明日が恋人たちの祭典バレンタインデーでも、たまたま偶然にその日嶋本が非番でも、だ。
不満がない訳ではないが、真田に関しては達観してしまった部分もあり、既に熟年夫婦じゃないのか、この感じは…なんて思ったりしていたのだ。
寝返りをうとうとして、ゆるい拘束に気づく。
二人で夜を過ごした後だけのそれは、恋人として付き合い始めてから何年過ぎても気恥ずかしい。もっともそう思う以上に、単純に真田と触れ合うことの方が嬉しいのだけど。
…ちょっと待て。
昨夜ロフトベッドに転がりこんだ時は間違いなく一人だったはずだ。
ならばこれは己の欲求不満が見せた夢か、それとも。
体内時計で起床にはまだ早いと知りつつ、重いまぶたを押し上げる。
「……」
間近に見えた片二重の寝顔にどうやら、規格外の恋人が得意技の予告なし・お宅訪問をやってくれたらしいという結論に落ち着く。
こういう時の真田は驚異的な勝率を誇り、見事に嶋本が自宅にいる瞬間を引き当てる。
(神兵の神様って、確率の神様か?)
などと思いつつ、しばしパプアニューギニアでの日焼けが未だ抜けない真田の顔を堪能した。
別に菓子業界その他の販促に迎合するつもりはないが、こういう日に会えることは嬉しい。
少しいたずらっ気を出した嶋本が褐色の頬を舐めた時、真田が目を開けた。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
続きは次回…
…たたかーえまっすっか~♪っというなつかしのCMソングが頭の中で回ります(苦笑)
既に二日遅れのバレンタイン話。うまくいけば、今日明日に途中までなりとも…上げられたいいな!(神頼みか)
既に二日遅れのバレンタイン話。うまくいけば、今日明日に途中までなりとも…上げられたいいな!(神頼みか)
…そんな気分になる、この数日。
あれやこれやが一気に重なりました(ぎゃふん)
バレンタイン話は、思いつきだけはあるので、書けたら…14日中には間に合わない気がしますが(汗)。
…ま、とにかくこの大波を乗り切るべく、がんばります。早く戻って来たいよ~(泣)
あれやこれやが一気に重なりました(ぎゃふん)
バレンタイン話は、思いつきだけはあるので、書けたら…14日中には間に合わない気がしますが(汗)。
…ま、とにかくこの大波を乗り切るべく、がんばります。早く戻って来たいよ~(泣)
ハロウィン連載の、第10話の5回目です。
「嬉しくないはずないでしょう」
ふがいない自分がみっともないからまだ会えんて思っただけや。
小さく口走ったそれを真田は聞き逃してはいない。
「みっともないのはオレの方だよ」
言葉遣いだけで嶋本が変わるなんて思わないけど、側にいないのは確かだから。
「…ちょっと不安になったんだ」
ごめん。
目を見開いて振り返った嶋本に、真田は詫びた。
「…お互い様やん、先輩」
ほっとしたように笑った真田につられるように、嶋本も自然に笑っていて。
「そう言えば、そのぺらい荷物はなんです?」
「便箋だ。嶋本がいつ帰るかわからなかったから、留守電ではない物を残したくて」
「…わざわざ買いに行ったんすか」
「ああ。ノートに書くのは味気ないだろう。せっかくここまで来たんだし、時間もあったしな」
「それにしてもええタイミングで会いましたね」
「ああ、嶋本の匂いがしたから」
「…冗談ですよね?」
「お前はわからないか?」
「…そんな警察犬みたいなの、無理です」
「そうか…しかし書き損なったな、ラブレター」
「ぶっ!」
そんなたわいない会話を交わしながら、いささか競争めいて来た早歩きの速度は緩めず、残りわずかな家路をたどった。
第10話はこれで終わりです~
携帯電話の普及率を思わず調べました(苦笑) 留守電サービスくらい、あるよね…いっそFAXでもよかったかしら?
本来、バディ成立の3話+おまけの訓練編くらいの予定が、延びる延びる(汗) 11話は例の事故話予定なんで、ほのぼの遠距離恋愛編はここまでか…
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
「嬉しくないはずないでしょう」
ふがいない自分がみっともないからまだ会えんて思っただけや。
小さく口走ったそれを真田は聞き逃してはいない。
「みっともないのはオレの方だよ」
言葉遣いだけで嶋本が変わるなんて思わないけど、側にいないのは確かだから。
「…ちょっと不安になったんだ」
ごめん。
目を見開いて振り返った嶋本に、真田は詫びた。
「…お互い様やん、先輩」
ほっとしたように笑った真田につられるように、嶋本も自然に笑っていて。
「そう言えば、そのぺらい荷物はなんです?」
「便箋だ。嶋本がいつ帰るかわからなかったから、留守電ではない物を残したくて」
「…わざわざ買いに行ったんすか」
「ああ。ノートに書くのは味気ないだろう。せっかくここまで来たんだし、時間もあったしな」
「それにしてもええタイミングで会いましたね」
「ああ、嶋本の匂いがしたから」
「…冗談ですよね?」
「お前はわからないか?」
「…そんな警察犬みたいなの、無理です」
「そうか…しかし書き損なったな、ラブレター」
「ぶっ!」
そんなたわいない会話を交わしながら、いささか競争めいて来た早歩きの速度は緩めず、残りわずかな家路をたどった。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
第10話はこれで終わりです~
携帯電話の普及率を思わず調べました(苦笑) 留守電サービスくらい、あるよね…いっそFAXでもよかったかしら?
本来、バディ成立の3話+おまけの訓練編くらいの予定が、延びる延びる(汗) 11話は例の事故話予定なんで、ほのぼの遠距離恋愛編はここまでか…
ハロウィン連載の、第10話の4回目です。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
沈黙のまま歩き続けて、部屋のある官舎が近くなった頃、背後からかけられた真田の声に、心臓が止まるかと思った。
「―――オレは来ない方がよかったか」
嶋本は弾かれたように振り返った。
真田はただ真っ直ぐに嶋本を見つめている。
互いに海/上/保/安/官となり、嶋本の学生時代より明らかに連絡が取りにくくなった。
普及を始めた携帯電話があっても、相手が出ないまま留守電になることが多く、しかも嶋本はメッセージを入れなかった。喋る相手のいないところへ何と言えばいいかわからなかったからだ。
――元気か?
なんて、白々しい。元気に決まってる。
パートナーの最低限の安否は、互いに伝わるのだから。そんなの聞かなくたってわかる。
だから、電話をしたのは声を聞きたかったからだ。直接話せないのに、取り繕った挨拶だけ録音に残して何になる。
「――部屋、行きましょう」
近づいて真田の腕を掴むと、姿の見えかけた官舎へ向けて、ぐいぐい引っ張って行く。
(なんや、先輩かて見た目ほど余裕ってわけやないやん)
エネルギーは正直だ。触れてしまえば、おおよその感情くらい伝わってしまう。
つまりは嶋本の感情も。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
あと、もうちょっと…
書きかけでうっかり墜落睡眠…(苦笑)
ハロウィン連載の、第10話の3回目です。
ハロウィン連載の、第10話の3回目です。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
「触ったら痛いでしょうが!」
「すまない。だがあまりに痛むなら…」
「ほっといたらおさまります!」
「嶋本」
触れられまいと真田から距離をとって先を歩く嶋本に、背後から真田が呼びかけた。
「電話でも聞いたが、話し方が変わったな」
「…周りにあわせとるだけです」
「その割りには馴染んでいる」
「言葉遣いくらいでやりやすうなるんやったら、安いもんでしょう…何を笑っとるんですか」
肩越しに睨むと、真田は口元を押さえて笑いを噛み殺している。
「…いや、成長した、と言えばいいのかと」
「…姑息やと思うけど、自分でも」
卑屈な言い方だと思う。今の自分はきっと醜い顔をしている。
「表面だけ変えたって、オレはオレのままやのに」
後ろの真田に構わず、足を早めた。
誰にも言うつもりのなかったよどみをよりによって真田に見せるなど、弱い自分が嫌になる。
>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡>゜)))彡
続きます~